データー通信はMVNOを利用する
データー通信実施のために利用するのは、MVNOです。今回紹介するMVNOの料金プランは、20GBまでのデーター量の消費が格安なIIJmio(アイ・アイ・ジェイ・みお)の新ギガプランです。
IIJmioは、インターネットイニシアティブという会社の運営になります。国内で初めてインターネット接続サービスを商用として行った会社です。
今回紹介する理由は、ズバリ月額料金の安さが一番です。
IIJmioの月額料金
IIJmioの月額料金は、2022年4月1日より若干値下がりしました。新料金体系は、次の通りです。料金はすべて税込みです。
音声通話 | SMS+データー通信 | データー通信 | e-SIM | |
2GB | 850円 | 820円 | 740円 | 440円 |
4GB | 990円 | 970円 | 900円 | 660円 |
8GB | 1,500円 | 1,470円 | 1,400円 | 1,100円 |
15GB | 1,800円 | 1,780円 | 1,730円 | 1,430円 |
20GB | 2,000円 | 1,980円 | 1,950円 | 1,650円 |
IIJmioの新料金プランの特徴
実際にはプラン料金すべてが格安に設定されているので、それ自体が特徴になるのですが、目立った料金の部分をピックアップしました。
- 最大料金の音声通話データー量20GBプランが、2,000円。
- 最小料金も2GBのデーター量プランで850円。
- e-SIMプランにおいては、20GBプランで1,650円
となります。
料金体系は、スマホを利用においてはメリットが大きいと言えるでしょう。この料金で全体的にこれだけのギガを使える料金プランは今のところありません。
ギガプランの値下がり具合や、他社と比較した安さの紹介は以下のページの内容でご確認ください。
IIJmioの新料金プランの安さをキャリアとMVNOで比較してみた
知っておきたいIIJmioのギガプランの注意点
IIJmioがある程度のギガを低料金で利用できるとしても、デメリットとは言わないまでも事前に承知しておくべきことをお話します。以下の2点です。
- IIJmioは、格安SIMである。
- IIJmioのe-SIMプランは、音声通話機能は対応していない。
IIJmioは、格安SIMである。
IIJmioは、独自のアンテナ基地局を持っていません。実際にはNTTdocomoやau(KDDI)の回線を私たちに提供しています(SoftBankの回線はない)が、それはdocomoやauから有料で回線を借りているのです。
ですからMVNO(いわゆる格安SIM)なのです。
格安SIMだからと言って、docomo回線やau回線は実際のdocomoやauとは全く変わりません。同じです。
しかし唯一の違いは回線の利用が多くて混雑した場合は、「通信速度が低下する」というMVNOの専用デメリットがあります。平日を中心に朝、夕、お昼において速度低下がみられます。特にお昼の12時台ごろは最も回線のスピードは遅くなり、時には検索自体もなかなかページが開かないということもあります。
この状況はどのMVNOを利用しても発生する現象です。MVNOを利用するのであれば、事前に承知していおくべきことです。
IIJmioのe-SIMプランは、音声通話機能は対応していない
docomoやau、SoftBank、楽天モバイルを見ると提供されているe-SIMは、すべて音声通話とデーター通信システムが併用して利用できるようになっています。
しかしIIJmioのe-SIMは、データー通信対応のみで音声通話機能は付帯していません。
これはIIJmioだけに見られる状態です。他のMVNOでは音声通話とデーター通信機能の両方を持ったe-SIMが提供されています。
IIJmioのe-SIMを検討される方は、十分に理解しておいてください。
また、IIJmiのe-SIMプランはdocomo回線を利用しています。しかしながらe-SIMプランは、5Gには対応していません。ご注意ください。
povo2.0とIIJmioを組み合わせる
では、povo2.0とIIJmioの2社を組み合わせて利用します。デュアルSIMスマホを利用した場合の組み合わせです。
デュアルSIMスマホがe-SIM対応の場合
povo2.0もIIJmioの両プランともにe-SIMの利用が可能です。そのため「どちらでも良いのではないか」と、思いがちですが、ここはきちんと役割分担を決めましょう。
音声通話で利用するpovo2.0は、SIMカードを利用します。データー通信で利用するIIJmioは、e-SIMで利用します。
もう多少お分かりですね。IIJmioはe-SIMで利用する方が安い月額料金で済ませられます。(4GBのデーター量では660円で済みます。)
そうすると、povo2.0の「5分以内通話かけ放題」とIIJmioのe-SIMを利用した場合の月々の料金は、以下のようになります。
povo2.0 5分以内通話かけ放題 | IIJmio e-SIM | 合計月額料金 | |
2GB | 550円 | 440円 | 990円 |
4GB | 660円 | 1,210円 | |
8GB | 1,100円 | 1,650円 | |
15GB | 1,430円 | 1,980円 | |
20GB | 1,650円 | 2,220円 |
2GB、4GB当たりの料金では、安さの実感が湧き辛いかもしれません。特に上記の料金を見ただけでも安いと実感できるのは、20GB当たりのクラスでしょう。
povo2.0の「5分以内通話かけ放題」とIIJmioのe-SIMのペアを比較
ではpovo2.0とIIJmioのe-SIMペアは、どれぐらい安くなったのかを検証してみます。IIJmioの音声通話プランに、「みおふぉんダイヤル通話定額5分+」をトッピングしてみた場合と比較してみます。
povo2.0 | IIJmio e-SIM | 合計月額料金 | IIJmio音声通話+通話定額5分 | その差 | |
2GB | ¥550 | ¥440 | ¥990 | ¥1,320 | ¥330 |
4GB | ¥660 | ¥1,210 | ¥1,490 | ¥280 | |
8GB | ¥1,100 | ¥1,650 | ¥2,000 | ¥350 | |
15GB | ¥1,430 | ¥1,980 | ¥2,300 | ¥320 | |
20GB | ¥1,650 | ¥2,220 | ¥2,500 | ¥280 |
全体的な料金の差額は、280円~350円になります。1ヶ月の差としてみるとそれほど大きなものではありません。
しかし1年を通してみると、1ヶ月分の料金以上の差が生じます。こうしてみると結構大きな差になってきますね。
また先ほど紹介しましたpovo2.0のデーター量20GBの料金は、30日間有効で1回につき2,700円になります。プラス「5分以内通話かけ放題」トッピングすると、合計3,250円になります。
一方同povo2.0のデーター量3GBの場合、有効期間はこちらも30日で料金は1回につき990円になります。「5分以内通話かけ放題」をトッピングした場合、1,540円となります。
この組み合わせが、料金的には最も有効であることがお解りいただけるのではないでしょうか。
たった一つだけ問題点がある。それは通話料金について
月額料金の安さについてお話してまいりましたが、「povo2.0の「5分以内通話かけ放題」とIIJmioのe-SIM」ペアにもデメリットが一つだけあります。
それは、通話料金です。
多くのMVNOは通話料金が、オプションになっている定額による一定時間の話し放題(5分かけ放題等)の時間をオーバーした場合、11円/30秒となることが多いのです。
IIJmioの「みおふぉんダイアル通話定額5分+」のオプションの場合も、5分以上の通話は11円/30秒となっています。
しかし、MNOにおいては4社(docomo、au、SoftBank、楽天モバイル)とも、定額による一定時間の話し放題の超過後の料金は22円/30秒となっています。
無料時間の5分をオーバーした場合、通話料金が急激に増える可能性があります。結果月々の料金に対して大きく圧迫します。
では、長電話をする場合はどの様に対応したらよいでしょうか。次に安く長時間の電話に対応する方法を紹介します。
長時間の電話には楽天モバイルの利用がお奨め
長時間電話(長電話)には、楽天モバイルがお奨めします。それは楽天モバイルには、国内通話であれば月額料金0円で通話時間にかかわらず無料通話が可能な機能があるのです。
尚、有料であれば通話時間に関わらず通話料金が0円で利用できるサービスは、概ねほとんどの通信会社でサービス提供しています。先ほど紹介したpovo2.0でも月額1,650円で提供しています。
Raktuen Link の紹介
Raktuen Link というアプリを利用して電話を掛けると、常識外以外の時間の通話であれば無料で利用できます。常識外というのは、24時間通話し続けるなどの行為です。
こう言った場合電話を掛ける方も、電話を受け取る相手も同じアプリなどを利用していないと無料通話にならないというパターンが多いのです。しかしRaktuen Link は、電話を掛ける相手がRakuten Linkを利用していない場合でも、また固定電話に対して電話を掛けても無料通話になります。
但し、すべての通話が無料になるわけではありません。指定された電話番号に掛けると、有料になります。
Raktuen Link を使っても有料となる電話番号の紹介
またこちらのアプリからは、SMS送受信が国内間の利用では無料になります。povo2.0もSMSの送受信は可能ですが、文字数により送信等の料金は変化します。
そうするとpovo2.0 を利用し、月額料金550円で5分間の無料通話しかできなく、5分を過ぎてしまえば22円/30秒の料金が掛かってしまうのであれば、国内通話はほとんど無料で利用できるRaktuen Link の方が良さそうですね。
そういった意味では、Rakuten LinkとIIJmioの組み合わせでも大丈夫な場合もあります。最も安い料金になると、IIJmioのe-SIM料金だけで無料通話が利用できるのですから最強ですね。
でもこの最強は、すべての人に良いとも限らないのです。その理由は次でお話します。