IIJmioの新料金プランの安さをキャリアとMVNOで比較してみた

格安SIM MVNO

2022年4月より格安SIM(以下、MVNO)の株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:勝 栄二郎。以下、IIJmion)から2021年4月に開始されたギガプランが、値下げされました。

ギガプランは2021年の発表時でもMVNO業界の中では最安値と位置付けられる料金設定でしたが、今回さらにそれを下回る料金システムとなりました。

ただ驚くほど大きな値下げではありません。しかし、私たち消費者からすれば消費税分だけでも値が下がるとうれしくなるものです。

今回の値下げは、e-SIMプランを除くすべてのプラン(音声通話、データー(SMS対応)、データー)で行われています。

ではどれほど値が下がったのでしょうか。プランの値下がりを、値下がり前後で比較してみました。そしてMVNO同士の比較や、大手キャリアの格安プランとどれほどの差が生じたのかを検討してみました。

今回、IIJmioについて関心のある方には、参考になるかと思います。

IIJmioの回線仕様

IIJmioは、docomo回線とau回線の2回線提供を行っています。

実際にdocomo回線のことをタイプD、au回線のことをタイプAと称しています。e-SIMにおいては、docomo回線を利用しています。

タイプDのdocomo回線は、docomoのLTE/3Gに対応したSIMカードが提供されます。タイプAのau回線は、auの4G LTE網に対応したSIMカード提供されます。
尚、2022年4月1日よりau回線においては、3G回線は利用できなくなりました。そのためタイプAの回線は4G/LTE網対応のSIM提供になります。
e-SIMにおいては、タイプDと同じでdocomo回線のLTE/3Gに対応したプロファイルが提供されます。

IIJmioの詳細はこちら

ギガプランの新料金設定と旧料金との比較

IIJから発表された料金プラン新旧の比較です。赤字が新料金、黒字が旧料金です。(e-SIMを除く)

 音声通話SMS+データー通信データー通信e-SIM
2GB858円 ⇨ 850円825円 820円748円 740円440円
4GB1,078円 990円1,045円 970円968円900円660円
8GB1,518円 ⇨ 1,500円1,485円 1,470円1,408円1,400円1,100円
15GB1,848円1,800円1,815円1,780円1,738円 1,730円1,430円
20GB2,068円 2,000円2,035円1,980円1,958円 1,950円1,650円

値下げ料金の差は、それほど大きなものではありません。値引きに一定の法則は見られませんが、音声通話の4GBの値引き額88円が最大になります。

しかし大手携帯電話会社3社がそろって20GBで3,278円(税抜2,980円)や、2,728円(税抜2,480円)などのプランを発表している最中、格安SIM(以下、MVNOと称す)としては最大税込みで2,000円の料金となるように設定されています。

あの楽天モバイルも1GBまでの料金を0円にし、20GBまでの料金を2,178円(税抜1,980円)としています。20GB以上のデーター量の使用は青天井状態で一律3,278円(税抜2,980円)です。

一方MVNOでは日本通信が20GBで2,178円(税抜1,980円)の新プランを開始し、その後料金プランの改定を発表したmineoも契約データー量の上限を20GBし、料金は2,178円(税抜1,980円)としています。

mineo 料金プラン
 音声+データー通信データー通信のみ
1GB1,298円880円
5GB1,518円1,265円
10GB1,958円1,705円
20GB2,178円1,925円

その中で、今回発表されたIIJmio の新料金プランは、現段階では最安値更新ともいえる料金プランです。

リモートワークなどの関係で現在はデーター量の利用量が減ってきています。それに伴い各通信会社では、少量のデーター量を扱うプランが多く発生しています。
少量のデーター量の目安は、3GB/月や4GB/月といった部分が中心になります。IIJmioの場合は、2GB/月や4GB/月の利用者を中心にしているためこの部分の料金設定は、税込みで1,000円を切った料金設定になっています。

その他IIJmioには、10GBと言う区切りの良いと感じる部分のデーター量の設定がありません。10GBぐらいのデーター量が欲しいと感じた場合、15GBのデーター量の契約をするしかありません。
しかし、ここでもmineoの料金設定と比較すると、IIJmioの15GBの料金の1,848円(1,680円)は、mineo の10GBの料金1,958円(1,780円)の料金よりも安くなっています。

mineo の料金はNVNOの中でも安い設定がなされています。しかしIIJmioの「ギガプラン」の料金設定はそれよりも安く設定されています。

IIJmioの新料金プランについての詳細はこちら

大手キャリアと比較すると

では、大手キャリア4社と比較するとどうでしょう。大手携帯電話会社の格安プランと、IIJmioの「ギガプラン」の音声通話20GBプランを比較した内容です。

 
IIJmioドコモauSoftBank楽天モバイル
ギガプランahamopovo2.0linemoUN-LIMIT Ⅵ
最大データー量20GB20GB20GBの場合20GB20GBまで
月額料金2,000円2,970円2,700円2,728円2,178円
無料通話別途3分間無料通話(500円)から5分間無料通話含む別途5分間無料通話(500円)別途5分間無料通話(500円)10分通話かけ放題(1,100円)
通信制限時測度300Kbps1Mbps1Mbps1Mbps楽天回線時なし
追加データー料金220円(200円)/1GB550円(500円)/1GB550円(500円)/1GB550円(500円)/1GB追加料金 なし
特徴  トッピングメニュー有LINEデーターフリー従量制料金

IIJmioとキャリアの各プランの相違点

IIJmio の新料金システムとキャリアの各新プランの共通点は、それほど違いはありません。楽天モバイルにおいては完全なる従量制プランなので比較の対象は難しいと思われますが、20GBまでの料金で比較することができます。

今回は単純に料金内容だけではなく、制限時の通信速度やデーター量の追加購入、5Gについてなども検討してみました。

料金について

上記の表をご覧の通り、20GB利用の料金設定はIIJmioのギガプラン(以下、ギガプラン)が最安値です。
なんといっても20GB利用の料金が、税抜料金が1,000円台で収まるのはギガプランだけです。音声通話プランの20GBの料金がわずかに税込みで2,000円となっていますが、キャリアと比較すると最小で178円、最大になると970円の料金の差が生じます。

当初ahamoは、3,278円(税抜料金2,980円)の料金からのスタートでした。しかし後になって、3,278円(税抜料金2,980円)から2,970円(税抜料金2,700円)の値下げが行われました。

キャリアは頑張ってもここいら辺りが限界なのかもしれません。

無料通話サービス(かけ放題を除く)

無料通話サービスで最もお得感を持てるのは、楽天モバイルです。しかし、楽天モバイルにおいてはRakuten Link と言うシステムを利用すると、一部の電話番号を除いて「国内通話はかけ放題」というも尾です。他の4社と比較するのは少し公平でないため今回は比較対象外とします。

その楽天モバイルも「国内通話かけ放題」のシステムがあるにもかかわらず、「10分通話かけ放題」のサービスがあります。料金は1,100円と他社と比較すると高くなっています
「10分かけ放題」は、10分間の通話が無料になること以外に、SMSの送信も無料の対象になります。他社の無料通話には、SMS送信の無料サービスは不随していません。

ahamoは、「5分間無料通話」の料金が基本料金に「込み」となっています。au、SoftBankにおいてはオプションとなり、付加の場合は別途550円(税抜500円)のサービス料金が上乗せされます。

結果、「5分無料通話」を利用すると。最終的にキャリアの場合はすべて3,278円(税抜2,980円)となります。

一方、IIJmioの場合は、「通話定額5分」と「通話定額10分」という2つのサービスが提供されています。

料金は5分が500円、10分が700円となります。

IIJmioの5分間の無料通話サービスは、キャリアの無料通話と比較すると、若干の料金(消費税分ほど)が安く利用できるようです。

通信制限時の速度

キャリア3社の通信速度制限時の速度は、最大1Mbpsの速度と設定されています。しかし、IIJmioの場合は、最高300Kbpsとなります。

この速度差は、非常に大きなことです。

キャリアの最高速度1Mbpsは、Webの閲覧や検索、中程度以下の動画の視聴、SNSの写真の掲載(大きさによる)などは、それほど支障なく利用可能です。支障があるとすれば、主たるものはゲームに関するダウンロード、テザリングの利用です。
しかし、IIJmioの最高速度300Kbpsの場合、通信状態にも因るところが大きくなりWebの閲覧がやっとできるかどうかと言う状態にまでなることがあります。

通信制限に陥ってしまった場合IIJmioの場合は、追加データー量の購入が必要になります。気になる料金については、次の項目でお話します。

追加データー量の購入について

追加データー量の購入料金は、キャリアの場合1GBのギガを追加するのに550円(税抜500円)の料金になります。一方、IIJmioの場合は、1GBについて220円(税抜200円)となります。

この差は非常に大きく、IIJmioは追加データー量の購入も行いやすくなっています。

先ほどの通信制限時の速度の低下になったとしても、追加データー量については非常に購入しやすくなっています。
恐らく業界最安値ではないでしょうか。ちなみに日本通信が1GBを275円(税抜250円)で販売しています。

但しIIJmioのデーター量の追加購入の有効期限は、当月のみとなっています。

5G回線について

5G回線の量においては、各社対応がされています。その中でIIJmioにおいては、すべてのプランで5Gが利用できるわけではありません。タイプD回線(docomo回線)のSMS対応のデーターSIMとe-SIMの2つのプランにおいては5Gが使えません。

また楽天モバイルに関しては、他の4社と比較しても利用範囲は限られたものになります。楽天モバイル自体「頑張る!」と、力を入れていますが、まだ他のキャリアのようにはいきません。

では、他の部分においてIIJmioとキャリア各社の相違点を、IIJmioを基準に見ていきます。

IIJmioの新料金プランについての詳細はこちら

IIJmioの料金改定プランについて まとめ

IIJmioのギガプランの月額料金の値下げについてお話してまいりました。プランによっては数円の値下げのみになる場合もあります。
しかし、どこの料金プランをとってもこれほどのデーター量(ギガ)でこれらの料金で納まるプランは今のところないのではないでしょうか。
 
なんと言っても音声通話プランのデーター量20GB利用で税込み2,000円は破格値ですね。またe-SIMを利用した場合も、データー量20GBが税込み1,650円も破格値です。
低ギガ利用の場合も、料金はお奨めです。
 
通信会社をどこかに乗り換えを検討されている方は、IIJmioの検討もお奨めします。