2022年8月24日に、HISモバイルもe-SIMの対応をはじめました。
個人的にも以前からHISモバイルの音声通話を利用したいと考えていました。そしてそれがe-SIM対応であれば良いのにと、考えていた矢先であったため、早速e-SIM開始の翌日にMNP転入で申し込みをしました。
利用した端末は、シャープのAQUOS sense6です。
実際に申し込んでみると、意外と時間が掛かりました。
本来e-SIMの申し込みや設定は、申し込みをしてから1時間以内に終了し、すぐに使えるのが基本スタイルですよね。
しかし今回のHISモバイルのe-SIMはそうではなかったのです。いろいろな段階を踏まなければなりませんでした。
と、言ったところで今回は、MNP転入を利用してHISモバイルのe-SIMを契約と、e-SIMが利用できるようになるまでの注意点を、実際に契約を履行した経験等からをお話します。
この必要な注意点を把握できていないと、場合によてっは「失敗した」、「お金が無駄になった」と、言うことになりかねません。HISモバイルのe-SIMを申し込もうと考えている方は、是非参考にしてください。
まずは、申し込みに当たり必ず知っておかなければならない注意点からお話します。
HISモバイルe-SIMプランの確認内容
まずは、HISモバイルのe-SIMプランを利用を検討されている場合、次のことを事前に周知しておく必要があります。その内容をお話します。
e-SIMプランの取り扱い状況について
HISモバイルのe-SIMプランは、次のことについてまず周知してください。
- e-SIMプランはオンラインのみの申し込みになります。HISモバイルを扱っている店舗で申し込みは受け付けていません。
- e-SIMに対応しているのは、「自由自在290プラン」のみです。他のプランにはe-SIMは対応していません。
- eSIM⇔SIMの変更・再発行はMy HISモバイルから行えます。
- HISモバイルのe-SIMプランは、docomo回線を利用しています。au回線やSoftBank回線の端末の場合は、SIMロック解除が必要になります。
e-SIMの初回手数料・変更・再発行の手数料について
事前にかかる料金について、理解しておきましょう。HISモバイルの場合、まだ最初の事務手数料が徴収されます。
手数料は大きく分けると2種類発生します。
手数料金1,100円の場合
以下の場合は、手数料金が1,100円になります。
- SIMからe-SIMへの変更
- 機種変更を伴うe-SIMからe-SIMへの変更
- e-SIMの再発行
現在「自由自在290プラン」を利用されている方で、e-SIMに変更する場合や、機種変更が対象になる場合はこちらの料金になります。
手数料金3,300円の場合
初回事務手数料は、この3,300円になります。その他手数料金が3,300円が掛かるものは以下の通りです。
- SIMカードの再発行
- SIMカードのサイズ変更
- e-SIMからSIMカードへの変更
では次に、HISモバイルのe-SIM発行に関する重大注意事項をお話します。
MNP転入のをする場合は、MNP番号の有効期限に注意
MNP番号の有効期間に関してHISモバイルの注意事項等には、特に有効期間の明記はありません。
しかしMNP番号の有効期限は、凡そ13日以上の有効期限があるものとされているのが現在では一般的です。(5年ほど前に私がMNPで乗り換えをしたときは、10日以上の有効期限があるものと言うのが一般的でした。)
そのため、HISモバイルのMNP回線切り替えにおいても、13日以上の有効期限があるMNP番号を利用してください。
[重大ポイント] HISモバイルのe-SIM発行には時間が掛かる
一般的にe-SIMの手続きは、申し込みから端末への陥れまで凡そ20分程度で終了するとされています。
実際に私が経験した、楽天モバイルやpovo2.0、そしてIIJmioのe-SIMコースは、当日と言うか十数分後には、通常に利用できるようになりました。
しかし今回のHISモバイルのe-SIMは、大きく違います。HISモバイルのe-SIMの場合は、申し込みから実際に利用できるまで、凡そ最短で4日かかります。
HISモバイルをe-SIMで申し込む場合は、この記事を最後まで読んで、流れを理解してからにされた方が良いでしょう。
e-SIM発行手続きは申し込みだけ
e-SIM発行手続きの大筋は、本人の情報(住所等)の記載、本人確認書類の確認、クレジットカードの登録で一旦終了になります。楽天モバイルやpovoの場合、この時点でeKYC(オンライン上での本人確認)の本人確認が行われるはずですが、HISモバイルの場合においてはありませんでした。
また、MNPを実施する場合に必要なMNP番号の記入もありません。
この後e-SIM発行手続が終了すると、ID登録如何の報告が来ます。その後、電子メールで申し込み受け付け・事務手数料徴収のメールが届きます。
HISモバイルを申し込む最大の注意点は、このe-SIM発行手続きを申し込んだ段階で、登録したクレジットカードから事務手数料の3,300円が徴収されます。後から時間が掛かるからなどキャンセルしても、事務手数料の3,300円は戻ってきません。くれぐれも注意してください。
ここからが他社とは大きく違う点です。
e-SIMが使えるようになるには手間暇が掛かる
申し込み受け付け完了メールの翌日ぐらいに、本人確認完了メール(お客様情報確認完了メール)が送られてきます。
本人確認完了メールは、言い換えると「住所確認コードを郵送しますよ」と、言う報告メールでもあります。
そのメールが届いたらその後は、以下のような段取りになります。
- 住所確認コードが郵送されます。
- 住所確認コードが手元に到着後、確認コードとEID、そして電話番号を引き継ぐ場合はMNP番号を入力します。
- その後HISモバイルが開通手続きを行います。開通が完了するとメールでお知らせされます。この段階で、今まで利用してきた通信会社は利用できなくなります。
- 開通完了メールが到着後、プロファイルの設定、APN構成を行い、端末の再起動後、WiFiをOffにした状態でインターネットに接続できればOKです。
住所確認コードは郵送だから3~4日掛かる
さて、住所確認コードは、あなたの住所に郵送されるのですが、日本郵便の「転居・転送サービス」を利用されている場合は、転送等で受け取ることはできないそうです。「転居・転送サービス」サービスを解除してからe-SIMを申し込んでください。
本人確認完了メールが送られてきから住所確認コードが手元に届くまでは、営業日で3~4日ほどかかるようです。
私の場合、金曜日に申し込み完了メールが届きましたが、確認コードが手元に届いたのは翌週の水曜日でした。土日を含まないで計算すると4日です。恐らく投函されたのは、月曜日ではないかと思われます。(土日の発送は行わないとしています。)
e-SIMの利用までには、非常に時間が掛かるシステムです。キャリアのe-SIMのシステムと比較すると、考えられないほど時間が掛かります。
HISモバイルも、「申し込みから7日前後で利用できるようになります」と、しています。また、お急ぎの方は、SIMカードの利用を推奨しています。ヤマト運輸を利用して4日ほどでお届けできるそうです。
住所確認コードには期限がある 無効になると無駄が発生
送られてくる住所確認コードには、開通期限が設けられています。
これは、申込審査完了日から起算して30日目の20時までに開通手続きを行わないと、郵送された住所確認コードは無効になっていしまいます。
そして期限までに開通手続きを行わないと、以下のようになります。
- HISモバイルのe-SIM利用の申し込み内容は、すべて無効になります。当然サービスの利用はできません。
- 事務手数料の3,300円の返金はありません。
と、言うことになります。くれぐれもHISモバイルのe-SIMを申し込む場合は、気を付けてください。
開通手続きにも時間が掛かることがある
郵送された住所確認コードのには、QRコードが記載されています。このQRコードを読み取ることで、あとは所定の欄にEIDとMNP番号を入力(コピペ)して送信するだけです。
送信すると、HISモバイルが開通手続きを行います。MNPを実施される場合、この開通手続きがMNP回線切り替えの申し込みとなります。
開通手続きが完了すると、完了メールが送られてきます。しかしEIDとMNP番号を入力した送信も、時間帯によっては開通手続きが翌日回しになったりします。
申し込み時間 | 発行時間の目安 |
10:00~20:00 | お申込みから1時間以内に完了 |
20:00~0:00 | 翌日11:00頃までに完了 |
0:00~10:00 | 当日11:00頃までに完了 |
先ほど紹介しました、e-SIM発行時間帯と同じ状況が設定されています。
少しでも早くe-SIMの設定を行うのであれば、当日の20時までの開通手続き申し込みをしてください。
私の場合は送信が21時を回っていたため、翌日の9時過ぎ頃に開通完了メールが届きました。
開通メールが到着したら
開通(MNP回線切り替え手続き完了)メールが到着したら、e-SIMのダウンロードと、プロファイルとAPN設定を行います。
開通(MNP回線切り替え手続き完了)メールには、手順が詳しく紹介されてます。またプロファイルの設定動画もあるので手順は楽に行えます。
iPhoneの場合はQRコードを読み取り、その後タップ等の繰り返しですべての手続きが終了するとのことです。
一方、Androidにおいては、APN設定などは手動で入力することになります。Androidの場合、端末によって項目が違ってくることがあります。
私の場合AQUOS sense6においても特にプロファイルの設定では、項目を2つぐらい飛ばすことがありました。Androidでの設定は、設定内容を予め多少理解していないと難しいでしょう。
Androidの場合は、初心者の方には難しいかもしれません。
ここまで来て通常にHISモバイルのe-SIMの利用ができます。非常に時間が掛かる内容でした。
HISモバイルのe-SIMは、基本iPhone,iPadを対象とする
HISモバイルのe-SIMは、iPhoneとiPadを対象としています。そのため動作確認もiPhoneとiPadの確認結果は公表されています。
(尚、iPadも動作確認が取れている端末の公表はありますが、今回は通話機能が搭載されている端末の紹介のため省略します。)
しかしAndroid端末においては十分な動作確認を行っていないため、基本スタイルとしてはSIMカードの利用を推奨しています。
Android端末の動作確認が十分でない理由は、デュアルSIM端末でe-SIMを利用する場合、機種による違いが大きいためすべての端末において動作確認することが難しいとしています。
従って、私のようにAndroid端末のデュアルSIMでe-SIMを利用する場合は、自身の責任のもとに判断を行い申し込んでくださいとのことです。
iPhoneにおけるe-SIM動作確認端末
具体的にiPhoneの場合の動作確認が取れている端末を挙げます。
こちらは、iPhone XS、XR の端末以降にデュアルSIMとなった端末機種が対象となっています。
iPhoneの端末
iPhone 13 シリーズ
iPhone 12 シリーズ
iPhone 11 シリーズ
iPhone XS
iPhonXR
iPhone SE (第2世代、第3世代)
Android端末におけるe-SIM動作確認済み端末
Android端末の場合は、具体的に動作確認済み端末の紹介はありません。
次のように設定ガイドにて紹介されています。
私の場合のAQUOS sense6は、EIDの頭8桁の番号が「89049032」であったので、一応HISモバイルのe-SIM対応端末とわかりました。
しかし、まだ安心はできません。HISモバイルも言っている通り、EDIの条件を満たしていても、端末使用でe-SIMが利用できない場合があるとのことです。
一方通常の電話アプリで「*#06#」を発信したところ、確かにデバイス情報は表示されました。しかし表示されたのは、IMEI、電話番号、シリアル番号等でした。「*#06#」では、EIDの確認はできませんでした。
手持ちのAndroid端末でeSIMがダウンロードできるか確認は必要
EIDの頭8桁の番号が、紹介された番号の中にあったとしてもやはり安心できないので、とりあえず「お持ちのAndroid端末でeSIMがダウンロードできるか確認する方法について」を実施してみました。
手順は、表記されているので簡単にできるかと思いきや、はやり記述にある通りスマホによって微妙な違いがあるため、AQUOS sense6でも少し戸惑うことがありました。
EIDが条件を満たしていても「アクティベーションコード(Activation Code)」が必要な端末では、ご利用いただくことができません。
「設定」>「ネットワークとインターネット」>「SIM」>「eSIMを使用して番号を追加」>「SIMのダウンロード」>「ネットワークのQRコードをスキャン」と進み、二次元コードのスキャン画面で以下の二次元コードをスキャンしてください。スマートフォンにより、項目名や設定場所が違う場合があります。詳細はSTEP.2 モバイルネットワークへ接続をご参照ください。
この結果は次のような表記で表されます。
eSIMがダウンロードできる端末の場合
「サービスを有効にできませんでした…」のようなエラーメッセージが表示されます。
eSIMがダウンロードできない端末の場合
「Invalid Activation Code: Mandatory field(s) missing. Check if all acFormat, matching…」のようなエラーメッセージが表示されます。
- 端末によって表示が異なる場合があります。
出典 HISモバイル e-SIM簡単設定ガイドより
私がAQUOSE sense6 で確認をしたところ以下のような結果になりました。
HISモバイルのeSIMと他社の回線との併用の注意点
HISモバイルのe-SIMをデュアルSIMスマホで利用する場合、デュアルSIMの組み合わせによってはHISモバイルのe-SIMで通信を行うことが出来ない場合があります。
この場合もAndroid端末とiPhoneでは多少の違いがあります。
その詳細をおはなしします。
iPhone の場合の利用できない組み合わせ
iPhoneの場合、以下のような設定になっています。
2022年6月現在、OSの仕様により、APN構成プロファイルは、1つの端末に1つしかインストールできません。
出典 HISモバイル e-SIM簡単設定ガイド
この内容を説明すると、次のようになります。
iPhoneのデュアルSIMシステムで複数の回線を利用する場合、HISモバイルのe-SIMをAPN構成プロファイルを設定すると、もう一方で他の格安SIMを利用するとAPN構成プロファイルは同時に設定することが出来ません。
APN構成プロファイルの設定を必要としない通信会社の設定であれば利用できます。
と、言うことです。
iPhoneの場合、docomo、au、SoftBankの回線を利用している格安SIMは、すべてこの対象になります。HISモバイルの回線をの2回線設定しても同じと言うことです。
APN構成プロファイルの設定が必要でない通信会社は、キャリア(docomo、au、SoftBank、楽天モバイル)とキャリアのサブブランド(UQ mobile、Y!Mbile)です。
図にすると以下のようになります。
回線 | docomo回線 | docomo回線 | au回線 | SoftBank回線 | 楽天回線 | |||
携帯電話会社 | HISモバイル2回線 | docomo、alamo. | MVNO | au、povo、UQmobile | MVNO | SoftBank、Y!Mbile | MVNO | 楽天モバイル |
併用可否 | × | 〇 | × | 〇 | × | 〇 | × | 〇 |
iPhoneのデュアルSIMシステムの場合、HISモバイルのe-SIMと2回線利用できるのは、キャリアのみです。MVNOの格安SIMでは、デュアルSIMシステムにおける2回線利用はできないということです。
Android端末の利用できない組み合わせ
Android端末の場合は、次のようになります。
2枚のeSIMをご利用の場合、ドコモ系の格安スマホ同士ではご利用いただけません。
出典元 HISモバイル e-SIMカンタン設定ガイド
こちらは、e-SIMに限ってのお話になります。
docomo回線を利用している格安SIMのe-SIMは、HISモバイルのe-SIMと併用してデュアルSIM対応のAndroid端末では利用できないと言うことです。
この場合は、HISモバイルのe-SIMを2回線デュアルSIMスマホに導入することも該当します。
図にすると以下のようになります。
回線 | docomo回線 | docomo回線 | au回線 | SoftBank回線 | 楽天回線 | |||
携帯電話会社 | HISモバイル2回線 | docomo、alamo. | MVNO | au、povo、UQmobile | MVNO | SoftBank、Y!Mbile | MVNO | 楽天モバイル |
併用可否 | × | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
HISモバイルはiPhoneの利用が対象と言う事でしたが、どちらかと言うとAndroid端末の方が使い勝手が良さそうな感じです。
HISモバイルのe-SIMの利用手続きのレポート まとめ
HISモバイルのe-SIMへの乗り換えは、考えていたよりも大幅に時間が掛かりました。
これではキャリアや他のMVNOのe-SIMの手続きの敏速性と比較すると、非常にほど遠いものがあります。
それほど時間をかけてHISモバイルのe-SIMを契約する意味があるのか言うと、ほとんどの方はないでしょう。
通話料金が9円/30秒と言うことで、HISモバイルの利用を考えている方はいらっしゃるかもしれません。しかしそれなら現段階では、SIMカードの契約で対応で十分ですね。
まだまだ始まったばかりのHISモバイルのe-SIMプランです。気長に待てる方にはお奨めです。