モバイルルーター利用の損益分岐点は何処か?利用データー容量から分析

モバイルルーター

こんにちは!西北院です。

モバイルルーターがあれば、データー容量(ギガ)を消費しないで通信が安定し、わざわざWi-Fiスポットを探したり、出向いたりすることが無いので便利だとは思いませんか。

それに電車やバスの移動中でも、Wi-Fi環境の中にいることもできます。

しかし、いざモバイルルーターを使おうと考えるとどのモバイルルーターが良いのか分からなくなりませんか。

現在のモバイルルーター事情は、戦国時代です。WiMAXやクラウドWi-Fi、そしてSoftBank系Wi-Fiと、周波数帯の違いやルーターとしてのWi-Fiの仕組みだけを考えても3種類に分別されます。

「WiMAX2̟+やクラウドWi-Fiなどと言っても、それって何?」とか、また、「SoftBank系Wi-Fi。じゃあ、docomo系やau系もあるの?」と、言うこともあり得ます。

ましてや、どれが自分に合っているものなのか判断できないですよね。

多くの方は、このような問題に適格な返答をしてくれる人はあまりいないんじゃないでしょうか。

自分で、ネットを検索するしかないようです。

そこで、今回から3回にわたって、モバイルルーターについて次のようにお話していきます。

  1. モバイルルーターを持った場合、本当に得をするのか、無駄になってしまうのか。その分岐点を探る。
  2. モバイルルーターを持つのならどの3つの種類の内、どのサービスが良いのか。費用やメリット・デメリットを中心に、お薦めサービスを紹介。
  3. 最もお薦めのモバイルルーターサービスを紹介。

と、言うことで、今回は1番の「モバイルルーターを持った場合、本当に得をするのか、無駄になってしまうのか。その分岐点を探る。」をお話します。

尚、表示中の金額については、すべて税抜きの金額表記になっております。

NEXTmobile

「モバイルルーターを持った場合に、得するか、無駄になるのか」ってどういうこと

あなたがモバイルルーターを持った場合、「常にモバイルルーターを持って良かった!」と、言う結果が出てくるとは限りません。

確かに、大手通信会社(docomo、KDDI(au)、SoftBankのこと。それらを以後MNOと称します。)や、格安SIM会社(以後、MVNOと称します。)のデーター量(ギガ)を使用しているよりは、Wi-Fiを利用する方が、電波は安定しています。

しかし、あなたの月々に利用するデーター量(ギガ)次第では、普通にMNOやMVNOの音声通話契約のみでデーター量(ギガ)を利用している場合より、音声通話をモバイルルーターの2つの契約を交わしても、料金が安くならなかったり、モバイルルーターが無駄になってしまうことがあります。

言い換えれば、モバイルルーターの利用契約をしても、ルーターを十分に使いこなせる以上のデーター量(ギガ)を月々消費するかどうかと、言うことです。

では、実際にどれぐらいのデーター量を月々使用すれば、モバイルルーターを利用する意味があるのでしょうか。

モバイルルーターを使とマイナスになる分岐点はここ

WiMAXやクラウドWi-Fi、SoftBank系のモバイルルーターを取り上げても料金は様々です。またその3種類のモバイルルーターの中でも、それぞれのプロバイダーが特色を生かした料金体系を設定しています。

ですから一概にすべてのモバイルルーターが一律同じ設定で収まるとは限りません。今回は、最低でも必要なデーター量をベースにしてモバイルルーターの使用の損益分岐点を考えてみました。

比較対象にしたモバイルルーターは、SoftBank系のモバイルルーターのNEXTmobileの20GBプラン2,400円(最初の2年間)の料金です。

モバイルルーター利用の損益分岐点はここだ!

モバイルルーターを利用する場合の損益分岐点は、月々のデーター利用量(ギガ)が10GB以上か以下なのかと言うところです。

簡単に言ってしまえば、月々10GB以上のデーター量(ギガ)を消費する場合は、モバイルルーターを利用しても元が取れるということです。

ただ、契約しているMVNOによりますが、10GB以上の使用量でも10GB半ばの使用量の場合もあります。

 データー量(ギガ)料金モバイルルーター利用のお得度ルーター+音声通話プラン 音声通話プラン モバイルルーター料金(NEXTmobile
OCNモバイルONE
10GB¥2,880
20GB契約の場合 ¥820お得
¥3,580
¥1,180
¥2,400
20GB¥4,400
楽天モバイルスーパーホーダイ
14GB¥5,980
24GB契約の場合 ¥1,580お得
¥5,400
¥3,000
¥2,400
24GB¥6,980
楽天モバイル組合せプラン
10GB¥2,960
20GB契約の場合 ¥750お得
¥4,000
¥1,600
¥2,400
20GB¥4,750
LINEモバイル10GB¥3,220※下記参照¥3,600¥1,200¥2,400
MINEO
10GB¥3,130
20GB契約の場合 ¥880お得
¥3,710
¥1,310
¥2,400
20GB¥4,590
イオンモバイル
12GB¥3,280
20GB契約の場合 ¥1,000お得
¥3,680
¥1,280
¥2,400
20GB¥4,680
UQモバイル
9GB¥2,980
17GB以上のデーター量であればお得
¥4,380
¥1,980
¥2,400
14GB¥3,980
Y!モバイル
9GB¥3,680
データー量追加をするよりはお得
¥5,080
¥2,680
¥2,400
14GB¥4,680

※ LINEモバイルは、契約最大データー量が10GBまでです。10GB以上のデーター量(ギガ)を超えた場合は速度制限が適応されます。従って、モバイルルーターを利用した場合料金は少し高くなりますが、速度制限を考慮すると10GB以上のデーター量(ギガ)を利用する場合はモバイルルーターを利用した方が良いでしょう。

上の表は、各MVNOの10GB(10GBまでの料金設定が無い場合は、10GBに最も近いモノ)までの月々の契約料金と、20GBまでの月々の契約料金を表し、それに対して、最低音声通話データー量を1GB前後としてNEXTmobileの料金と合わせたものの比較表です。

データー使用量が月間10GB以下の場合どうなるか

例えばあなたが、月々のデーター量(ギガ)の使用が10GB以下の場合で、音声通話の契約が10GB以下の場合は、モバイルルーターを使用すると出費が多くなります。

その一例として、OCNモバイルONE をご覧いただくと、10GBの料金は2,880円です。しかし、モバイルルーターを使用すると、音声通話1GBプラン料金料(1,180円)とNEXT mobileーの料金(2,400円)を合算すると、3,580円になります。

その差700円になります。

従って、OCNモバイルONEの場合は、月間データー使用量(ギガ)が10GB以下の契約のだと、モバイルルーターを使わない方が良いということです。

楽天スーパーホーダイを除いて他のMVNOにおいても、月間データー使用量(ギガ)が10GB台の場合は、モバイルルーターを使用しない方が割安になるということです。

モバイルルーターを使用してお得になるのは

モバイルルーターを利用してオトクになるのは、MVNOの音声通話契約がデーター使用量(ギガ)が20GB以上の場合です。

先ほどと同じように、OCNモバイルONEを例にとって見ます。

音声通話契約を20GBで契約した場合の料金は、4,400円です。しかし、NEXT mobaileを利用し、音声通話契約を1GBとした場合は、2,400+1,180=3,580円となります。

その結果、NEXT mobileを利用した場合は、月々820円ほど安くなるということになります。

今回は、NEXT mobileの20GBプランとの比較を行いましたが、NEXT mobileにはその上の30GBプランもあります。プラン料金は2,900円(最初の2年間)です。

この30GBプランでも、MVNOの音声通話プラン20GBよりもまだ安い場合があります。

UQモバイルとY!mobileにおいては、最大契約データー量(ギガ)が14GBです。

仮に、14GB以上20GB以下のデーター量(ギガ)を必要とするのであれば、足りないデーター量(ギガ)を後から補充するよりもNEXTmobile20GBプランの方が安くなります。

詳しいことは、後半にて!

他のモバイルルーターとの比較ではどうなるのか

これまでの検証はモバイルルーターの料金プランとしては、どちらかと言うと比較的安いプランとの比較を行ってきました。

しかし、WiMAXやクラウドWi-Fi、の場合はどの辺りのデーター使用量が損益分岐点になるのでしょうか。検証してみましょう。

但し、全部の料金プランを比較するわけにはいかないので、各モバイルルーターの種類の平均金額で比較してみます。

WiMAXを比較した場合

WiMAXを比較してみます。WiMAXの場合は、通常プラン(7GBまでの利用)のプランと、無制限プランに当たる「ギガ放題プラン」があります。

今回は「ギガ放題プラン」を対象とし、以下のプロバイダーの平均金額を基にしました。

プロバイダー平均月額料金
Broad WiMAX\3,411
GMOトクトクBB¥4,263
UQ WiMAX¥3,880
DTI¥3,760
カシモWiMAX¥3,580
So-net¥4,379
@nifty¥4,350
YAMADA¥3,880
平均金額¥3,938

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平均金額は3,938円となるため、そのまま平均金額をWiMAXの月々の料金とします。

そうすると前回の表に当てはめると次のようになります。

 データー量(ギガ)料金モバイルルーター利用のお得度ルーター+音声通話プラン 音声通話プラン モバイルルーター料金(WiMAX2+)
OCNモバイルONE
20GB¥4,400
30GB契約の場合 ¥862お得
¥5,118
¥1,180
¥3,938
30GB¥5,980
楽天モバイルスーパーホーダイ
14GB¥5,980
24GB契約の場合  ¥42お得
¥6,938
¥3,000
¥3,938
24GB¥6,980
楽天モバイル組合せプラン
20GB¥4,750
30GB契約の場合 ¥612お得
¥5,538
¥1,600
¥3,938
30GB¥6,150
MINEO
20GB¥4,590
30GB契約の場合 ¥1262お得
¥5,248
¥1,310
¥3,938
30GB¥6,510
イオンモバイル
20GB¥4,680
30GB契約の場合 ¥462お得
¥5,218
¥1,280
¥3,938
30GB¥5,680
UQモバイル
9GB¥2,980
17GB以上のデーター量であればお得
¥5,918
¥1,980
¥3,938
14GB¥3,980
Y!モバイル
9GB¥3,680
データー量追加をするよりはお得
¥6,618
¥2,680
¥3,938
14GB¥4,680

平均単価が実際のところ3,500円ほどと考えていましたが、ブランド名が世間一般に知られていることを重視してプロバイダーを選択した場合、このような3,938円となりました。

この様子から判断すると、月のデーター利用量(ギガ)が20GB以上ある場合が分岐点となるようです。

MVNOの設定により30GBのデータプランの契約からお得感が得られるようです。

UQモバイルとY!mobileにおいては、14GBの上限に対してWiMAXの利用は2,000円ほどの差が生じています。

しかしこの場合も14GB以上のデーター量(ギガ)を使用し、大量のデーター量(ギガ)を消費するのであれば、WiMAXの料金関係なくオトクになるでしょう。

但し、各社によるキャンペーン等のキャッシュバック・割引は今回は考慮していません。

クラウドWi-Fiを比較した場合

クラウドWi-Fiとは一口に言うと、条件に合わせてその時の最良の大手携帯電話会社(以下MNOと称します。)3社の通信網を選択し、利用するWi-Fiです。

2019年の春頃からサービスがスタートし、基本的に通信制限が無く、MNOのどの通信も利用できるということで爆発的な人気を呼んでいます。

そのクラウドWi-Fiを提供する各社の料金です。

プロバイダー月額料金
どんなときもWiFi ¥3,480
Mugen Wi-Fi¥3,280
限界突破Wi-Fi¥3,500
NOZOMI Wi-Fi¥3,480
平均金額¥3,435

(NOZOMI Wi-Fiは、100GBまでのプラン料金です。)

有名どころのクラウドWi-Fiを選びその平均金額です。そこで、先ほどのMVNOとの比較表に、クラウドWi-Fiの利用を当てはめてみました。

 データー量(ギガ)料金モバイルルーター利用のお得度ルーター+音声通話プラン 音声通話プラン(データー1GB) モバイルルーター料金(クラウドWi-Fi)
OCNモバイルONE
20GB¥4,400
30GB契約の場合 ¥1,365お得
¥4,615
¥1,180
¥3,435
30GB¥5,980
楽天モバイルスーパーホーダイ
14GB¥5,980
24GB契約の場合 ¥545お得
¥6,435
¥3,000
¥3,435
24GB¥6,980
楽天モバイル組合せプラン
20GB¥4,750
30GB契約の場合 ¥1,115お得
¥5,035
¥1,600
¥3,435
30GB¥6,150
MINEO
20GB¥4,590
30GB契約の場合 ¥1,765お得
¥4,745
¥1,310
¥3,435
30GB¥6,510
イオンモバイル
20GB¥4,680
30GB契約の場合 ¥965お得
¥4,715
¥1,280
¥3,435
30GB¥5,680
UQモバイル
9GB¥2,980
17GB以上のデーター量であればお得
¥5,415
¥1,980
¥3,435
14GB¥3,980
Y!モバイル
9GB¥3,680
データー量追加をするよりはお得
¥6,115
¥2,680
¥3,435
14GB¥4,680

特に20GB~30GBプランを設定している場合のMVNOにおいて、20GBを超えるデーター量を利用する場合は、クラウドWi-Fiを利用する方が、安くなるという結果です。

理由は、利用データー量が20GBを超えると、30GBのデーター量の契約が必要になるからです。

UQモバイルとY!mobileについて

UQモバイルにおいては、オプション加入で17GBまでデーター量(ギガ)を追加することができます。使用データー量(ギガ)が17GBであればWiMAXやクラウドWi-Fiを利用すると赤字になります。

従って、WiMAXとクラウドWi-Fiの利用は、お奨めしません。

しかし、17GBを超えるデーター量(ギガ)を利用する場合、17GBを超えると通信制限が掛かってしまい128K128Kbpsになります。

そこを考慮すると、WiMAX・クラウドWi-Fiの利用もアリでしょう。

Y!mobileは、データー量(ギガ)の追加対応があります。0.5GBにつき500円の料金です。

今回の比較の場合、Y!mobileの最大データー量(ギガ)が14GBにつき4,680円、クラウドWi-Fiの利用料金合計が6,115円となっています。その差額が、1,435円です。

そうなると、約3回のデーター量追加によりクラウドWi-Fiの利用時とほぼ同じ金額になります。しかもデーターチャージ量はわずか1.5GBです。

結果的には14GBの使用量を超える場合は、WiMAX・クラウドWi-Fiの利用がお得になります。

モバイルルーターを使う使わないの分岐点 まとめ

今回は、月々の金額と言う面からWiMAXとクラウドWi-Fiの利用した場合の損益を見てみました。

  • SoftBank系(NEXTmobile)のモバイルルーターの場合は、10GB以上の利用から
  • WiMAX・クラウドWi-Fiの利用は20GB以上の利用から

がお得になるということです。

しかし、このデーターはあくまでも目安です。この損益の分岐点は、あなたが利用したいと考えているモバイルルーターの月額料金により左右します。

モバイルルーターの月額料金が安ければ、データー量(ギガ)の使用量が少なくてもモバイルルーターを使用してもお得でしょう。

しかし、モバイルルーターの月額料金が高くなると、スマホとモバイルルーターの月額料金が高くなってしまいます。

結果、大容量のデーター量(ギガ)を使わないと月額料金の元が取れなくなり、損をすることにもつながります。

要するに、月々のデーター使用量(ギガ)が一定量以下であれば、モバイルルーターを使わない方がお得であるということです。

そのためにも、毎月の自分の利用データ量(ギガ)を把握してから、モバイルルーターの利用を検討するのが良いでしょう。