docomoのahamoやauが展開するpovo、そしてSoftBank傘下のLINEMOと、キャリアが扱うプランとしては格安で提供されるサービスが開始してから久しくなります。
また楽天モバイルにおいては、通常プランの他に格安プランを別に設けてはいません。しかし段階的に料金が上がりますが、月額料金3,278円でデーター量使いたい放題プランの一択で提供されています。
一方、ahamoやpovo、LINEMO、そして楽天モバイルが登場する前は、格安SIM(MVNO)を利用することが月額料金を安く抑え、少しでも多くのデーター量(ギガ)が使える賢い手段でした。
そんな中でキャリアが提供する高額なプランは依然として存在していますが、スマホの月額料金は、キャリアとMVNOを含め全体的に落ち着きを見せています。
ではキャリアの格安プラン(以下、ahamo、povo、LINEMOのことを示す)と各格安SIM通信会社を含め、似たり寄ったりのデータープランや料金プランがひしめき合う現在では、どの通信会社を選択すればよいのでしょうか。
答えはキャリアの格安プランを利用するのが現在では賢い方法と言えるでしょう。
今回はそんな実情を考慮しながら、どのキャリアの格安プランが良いのか紹介します。
キャリアの格安プランのメリット・デメリットから利用を考える
キャリアの格安プランは、楽天モバイルを除く3キャリアが提供しています。これらの格安プランは、キャリアのサブブランドとは違い、キャリア自身が運営するプランです。
ではキャリアの格安プランを利用するのいかがなものでしょう。良いことが多いのか、悪いことが多いのでしょうか。
そこでキャリアの格安プランを利用するメリット、デメリットを考えてみます。
キャリアの格安プランを利用するメリット
キャリアの格安プランを利用するメリットを考えてみましょう。
- 通信速度が安定し、通話品質も良い
- 速度制限下でも1Mbpsの通信速度で利用できる
- キャリアのメインブランドよりも安く利用できる
- 初回にかかる契約事務手数料は必要なし
- 通話のオプションがある
- キャリアの運営なので信頼できる
それほど多くはありませんが、大きなメリットが2つあります。そこを中心に大手キャリアを利用するメリットを見ていきます。
通信速度が安定し、通話品質も良い
スマホを使ってデーター通信を行う上で、最も重要なのは通信が安定していることですよね。
キャリアの格安ブランドは、当然そのキャリアの回線を利用しているため、データー通信の状況や速度においては問題なく使えます。
格安SIMを利用した場合、実際のところキャリア自身とそれほどデーター通信においては大きな違いがみられません。しかしお昼の12時の時間帯は、そうではありません。通信速度は極端に落ち、動画の視聴もストレスが発する原因の一つになります。
通話品質においてもキャリア格安プランは、非常に良い状態です。私は、現在個人的にahamoを利用しています。通話の場合、特にdocomo同士ではdocomoのVoLTE HD+の凄さを実感することが出来ます。
また5G対応の端末を利用している場合、キャリアが展開している5G電波が提供されている地域では、切り替え作業等はなく自動で5Gを利用することが出来ます。
格安SIMの場合、5G回線の利用ができる格安SIMはありますが、まだまだ少ないです。
通信速度や環境の安定と言うことは、大手キャリアの回線を利用している大きなメリットになります。
速度制限下でも1Mbpsの通信速度で利用できる
3キャリアが実施している格安プランも、月内あるいは契約プラン上のデーター通信料を使い切った場合、速度制限が掛かります。その速度制限時の最高速度は、1Mbpsになります。
ちなみに格安SIMの速度制限時の最高通信速度は、凡そ128Kbpsから300Kbps に制限されます。
一方、キャリアのメインブランドの場合、速度制限時の最高速度は、128Kbpsです。最高速度128Kbpsは、Webページの閲覧も難しくなります。
ではこの1Mbpsの最高速度は、実際にどれほど利用できるかと言うと、以下のようです。
- メールは通常通りに送受信可能。但し、写真や添付ファイル等の重たいものは不可になる可能性が高い。特にエクセルのデーター等
- LINEは通常通り使えます。LINEビデオ通話も可能
- 写真等の重たいデーターが少ないWebページやSNSの閲覧は可能です。
- YouTubeの視聴は低画質であれば可能だが、高画質にすると多くが難しいでしょう。
- オンラインゲームの場合は、難しい可能性が高い
以上のように日常よく利用する可能性が高いアプリ等の利用は、高望みをしない限り利用可能です。
実際に私が速度制限時に最大速度1Mbpsで利用した時も、メール送受信、LINE通信、WebやSNSの閲覧、You Tubuの視聴は、記述した通りほぼ利用できました。オンラインゲームは、あまり期待しない方が良いでしょう。
一方、テザリングを利用し他の機器と併用して利用した場合は、使えないことはありません。但し通信速度は、考えていたよりも大幅に遅くなります。
私の経験上、親機(テザリングを実施する方)になる方の方が通信速度は速く、親機に接続する方(子機)の通信速度は親機よりも遅くなります。その時の通信環境にもよりますが、この場合はW閲覧においては開くまでに多少の時間が掛かります。動画視聴においては、子機ではほとんどの視聴は無理でした。
最高速度が1Mbpsに速度制限が掛かってしまったときは、他の機器との併用を考えずメイン端末のみでの利用を考えた方が良さそうです。
最高速度1Mbpsの速度制限時にメイン端末一台で利用するのであれば、何ら問題のない速度制限です。
キャリアのメインブランドよりも安く利用できる
キャリアの格安プランを利用するもう一つの大きなメリットは、非常に安い料金で大手キャリアが利用できるということです。
現在でも大手キャリアのメインブランドは、それこそ大容量のデーター量を利用することが出来ますが、料金はそれなりに高額になります。以前のように、月額料金が1万円を超えることは少ないかもしれませんが、まだまだ高額な料金体制です。
~3GB | 無制限 | ||
docomo | 5Gギガホプレミア | 5,665円 | 7,315円 |
au | 使い放題MAX5G | 5,588円 | 7,238円 |
SoftBank | メリハリ無制限 | 5,588円 | 7,238円 |
しかし大手キャリアの格安プランを利用することで、月額料金も3,000円を切ります。またSoftbankのLINEMOからは、3GBで990円と格安SIMと同じレベルの料金で利用できるプランも提供されています。
キャリアの格安プランなどが始まる以前からすると、docomoやau、Softbankがそのような低料金で高データー量が利用できるのは夢のような話です。
初回にかかる契約事務手数料等は必要なし
2019年10月1日から電気通信事業法が改正により、2年縛り撤廃され、更新期間以外の解約や乗り換えによる違約金(解約金)が最高1,000円になりました。その後違約金(解約金)においては、一部を除いてはほとんどが0円となっています。
しかし、新しく契約する場合に徴収される契約事務手数料は、現在も多くの通信会社が用いています。
キャリアにおいても例外ではありません。通常のキャリアメニューの新規や乗り換えの場合、基本的に3,300円の事務手数料が徴収されます。docomoにおいては、オンラインで契約すると事務手数料0円となったりします。逆にauにおいては、いかなる場合も事務手数料が徴収されます。
ところが同じキャリアが運営する格安プランにおいては、新規や乗り換えに関わらず初回事務手数料は0円です。また当然ですが、2年縛りや違約金(解約金)もありません。
従ってキャリアの格安プランは、自分の好きな時にはじめられ好きな時に辞めることが出来ます。
そうなると、3キャリアを一通りお試し利用をしてみてから、使う格安プランを決定することも可能です。
時間に余裕のある方は、自分に合った格安プランを探してみるのもお奨めです。
無料通話のオプションがある
キャリアの格安プランには、オプションとして無料通話があります。5分間無料通話と完全無料通話が、準備されています。
特に利用価値が高いのが5分間無料通話です。5分間無料通話はキャリア各社によって扱い方が違います。
例えばahamoは、5分間無料通話が月額料金2,970円の中に標準装備されています。auのpovoにおいては、必要であれば月額550円のトッピングメニューとなっています。
またSoftbankのLINEMOは、LINEMOの契約から1年間は5分間無料通話のオプション料金550円が無料となるキャンペーンを行っています。1年後からは、有料となり月額550円が必要になります。
5分間無料通話は格安SIMでも取り扱っていますが、ahamoのように標準サービスとなっているのは他にありません。
国内通話における無料通話は、以下 (⇩) のページからも確認できます。
キャリアの運営なので信頼できる
さて、キャリアを利用する意味を全体から考えると、言えることは一つです。
それは、キャリアの格安プランはキャリア自体の運営であるため、信頼できるということです。特にデーター通信においては大いに当てはまります。
データー通信は格安SIMの場合、キャリアのデーター通信を間借りしている状態です。そのため通信環境は、キャリアほど良くはありません。よく道路に例えられますが、キャリアの場合広い道路を通行(通信)をしているため渋滞は置きませんが、格安SIMの場合は間借りの狭い道路で通行(通信)をしているためすぐに渋滞が起きてしまうということです。
そのため格安SIMの場合、お昼時間帯のデーター通信はなかなか通信ができない状態になります。キャリアの場合も、お昼の時間帯は通信が少し繋がりが悪くなることもあります。
そう考えると、やはりキャリアの通信を利用していた方が良いとなるでしょう。
キャリアの格安プランを利用するデメリット
キャリア格安プランが出た当時は、複数個のデメリットが挙げられていました。特に頻繁に挙げられていたデメリットは以下の3点です。
- キャリアメールが利用できない
- 実店舗によるサポートを受けることができない
- キャリアが実施している割引サービス(家族割等)は対象外
デメリットではなくなったキャリアメールの利用
3点の内の1番は、現在展開されている「キャリアメール持ち運び」と言うサービスにより、通信会社を他のキャリアやキャリアの格安プラン、格安SIMに変更した場合でも、今まで利用していたメールアドレスは利用できるようになりました。
これにより、キャリア格安プランの「キャリアメールが利用できない」と、言うデメリットは解消されました。
但し、有料です。月額料金330円が必要になります。
実店舗が必要なのはプラン契約時だけ?
3点の内の2番のように、キャリア格安プランはいかなる内容でも、実店舗ではサポートは行っていないのが基本スタイルです。
確かに実店舗によるサポートを必要としている方においては、サポートを受けることが出来ないのは非常に困ります。
しかし実店舗でのサポートも、そう頻繁にあるものではないと思います。最も多くサポートを必要とするのは、恐らく「乗り換え時に契約方法や設定方法が解らない、不安だ!」と、いう内容ではないでしょうか。
そう言った場合の実店舗でのサポートを受ける必要が出てきます。
しかし乗り換え時の手続き方法が解らない、不安であるという問題が解決すると、実店舗におけるサポートを必要とする可能性は低くなるでしょう。たまに端末の操作方法などで実店舗を訪れる方はいらしゃるようですが。
キャリア格安プランの唯一のデメリットはこれ!
3点の内の3っ目の項目が、実際のデメリットになります。
今まで家族で利用していた場合や、光回線を利用の場合などの割引きは、キャリア格安プランにおいては適応されません。
従来において家族でキャリアを利用していない場合や、キャリアの光回線を利用していない場合などは、特にデメリットとなることはないでしょう。
しかし今まで家族で利用することで、月額料金の割引や通話料の無料、光回線の利用での割引の適応を受けていた場合は、キャリア格安プランにするとすべて割引が適応されないとなると、ちょっとショックですよね。
しかし、各キャリアの格安プランの料金は、今まで利用している通常のキャリアプランに割引が適応された場合でも、更に安く設定されています。
そうなると、キャリアの通常プランに各割引を適応させるというよりも、格安プランに乗り換えた方がお得になるということですね。但し、利用するデーター量によりお得でない場合があります。